multipleminorityidentities’s blog

気づけばアラフォーになっていたギフテッドなゲイの日常

人類の神秘

「マイノリチーはマジョリチーの『怒らないで冷静になりなよ』というトーンポリシングに引っかからないようにね」という啓発漫画にトーンポリシングで対抗するおバカブログ記事を見た。ちょっと前に取り上げられたものらしい。*1バカすぎて冗談にしか見えないけど多分本気なんだと思う。

そのブログ記事によると、漫画に出てくるようなマイノリティは権利ばっかり主張して相手に耳を傾けない理不尽な人たちなんだそう。そりゃトーンポリシングをやる側にとっては都合が悪いもんね。だいたい、これを書いた人が前提としているマイノリティの定義は身勝手だし、この人自身も自分たちの思考パターンに無自覚な自称善人マジョリティの典型。自分は差別主義者でない体で話を進めてるけど、真面目に考えてみたことないんだろうな。中立のふりをしてターゲットを貶めようとしているようにも見える。

もう1つ気になったのは、「理性と感情が両立しない」という前提。理性と感情は両立する・しないではなく、それぞれ次元の違うところにある。*2例えば、感情的なトーンだけど内容は理性的な主張をすることは可能だし、トーンは感情的じゃないけど支離滅裂な主張をすることも可能。支離滅裂になるのは感情的だからじゃなくて情報量がスペックを上回っているからでは?

*1:漫画の方もツッコミどころがない訳じゃないけども置いておく。

*2:「理性と感情」を「客観と主観」のつもりで言ってるなら両立する・しないの問題だが、トーンポリシングは内容じゃなく態度を突っつくものなので(つまりやる方は主張内容とそれを伝えるトーンが違う次元にあると無意識下では分かってやっている)、その解釈はあり得ないだろう。