「自分より前からいる者を敬え」という教えは現代においては必ずしも意味をなさないんじゃないかって思う。*1例えばお年寄りだったら、昔は長生きする人が今ほどいなかったし、普通IQ同士だったら知恵の蓄積度は生きた時間の長さに比例する。それに今のように情報が瞬時に飛び交って世の中の常識が目まぐるしく変化することはなかった。だから昔は普通IQであってもお年寄りは貴重な特殊人材だった。「自分より前からいる者を敬え」にはこういう背景があると思う。そして昔は（少なくとも日本では）「職人の子は一生職人」みたいな世界で、集団の構成員の流動性は多分そこまで考慮されてない。
「自分より前からいる者を敬え」にはおそらく「古参者は新参者よりも物事を分かっている」という期待がある。でも死亡率も下がって可用な情報も増えた今の世の中では、「経験と経験値は違う」という事実が如実に浮かび上がってきた。新参者でも元々の能力が高ければ、古参者をあっという間に追い抜いてしまうし、最初からスタート位置が違うことだってある。
そういう状況にあって、自分たちの平凡さを突きつけられた年長者たちが、今や時代錯誤な年功序列という概念を自分たちのプライドを保つために持ち出したとき、KKOをはじめとする迷惑キャラとして扱われるんじゃないかなと。*2*3「言ってることは正しいが言い方が気に入らない」と同じ。
