multipleminorityidentities’s blog

気づけばアラフォーになっていたギフテッドなゲイの日常

セクマイは二度死ぬ

彼氏と同居中のゲイ男性がコロナに感染して隔離され、職場に濃厚接触を報告した彼氏がカミングアウト強要危機で大変だった話を読んだ。陽性者や濃厚接触者になったら職場とか自分が出入りするところに報告する流れになってるけど、オープンでないセクマイにとっては笑い話では済まない。猿山の猿から身を守るためにプライベートなことを隠してきたのに、状況次第では症状で苦しい思いをした挙句、猿に見つかってしまう恐れがある。セクマイも普通に受け入れられる職場にいたならラッキーだけど、猿山だったらそこに居られなくなって収入源が絶たれるかもしれない。世の中の職場って猿山が思いのほか多そうだし。そうなると申告しないでおくか、猿の餌食になるかの二択で、しかも意地の悪い猿なんか助けねえよざまあとか思って申告しないでいると自分もダメージを食らう可能性がある。

このご時世、やんごとなきノンケのマジョリティ貴族様でさえ切られて生活に困る人がいっぱいいる訳で。セクマイなんて尚更「コロナにかかって大変だったよー」だけじゃ済まない。医療関係者並みに秘密厳守できないならプライベートなこと聞くなゆるふわガバガバ排気口が。

住居だって賃貸はなぜか同性カップルにはなかなか貸してくれない*1泣く泣く一人が借りてもう一人が転がり込んでることだってあるから、下手すりゃ追い出されてホームレスまっしぐらな訳で。治療や隔離療養のために救急車でピックアップされたりしたら目立つしヤバい。なんならいっそ医療機関にかからずに2人とも感染して、ウイルスと多大な迷惑と怨念とよく分からない変な汁を撒き散らしながら部屋で死んだ方が手っ取り早いレベルだけど、コロナはそれもガチャで2人ともすんなり死ねるとは限らない。それが嫌なら家かマンションを買うか、一人暮らしするか、シェアハウスにでも住むか、条件が悪くても運良く同性の同棲可の物件に我慢して住むしかない。マジョリティ貴族様と違って、マイノリティの生活って基盤が脆弱なことが往々にしてあるから*2、何かあるといとも簡単に崩壊してしまう。正直、マジョリティ貴族様のお馬さんごっこに付き合ってる余裕なんかないんだわ。

*1:頭が中世でも不動産からの収入で食べていけるって羨ましい。

*2:なぜかって別世界の住人として締め出し食らってるから。見世物以上の価値があるとは思われてないから。