multipleminorityidentities’s blog

気づけばアラフォーになっていたギフテッドなゲイの日常

為人を知るのが怖い

普段歌詞のある音楽をあまり聞かなくなって何年にもなる。歌詞に共感できないことが多いから。「乗り越えてみせるよぉ〜」とか言われても「うっせぇわ!」みたいな。最近の曲とかあんまり知らなくて、好きなアーティストは限られてる。音楽自体は聞くけど。

子供の時は「このアーティストはどんな人だろう」と思ったこともある。でも今は曲を好きになるほど、制作者の為人を知るのが怖くなった。メディアに出たりSNSとかやってて「この人いろいろ考えて生きてるんだな」とか感じる人も中にはいて、そういうのは割と安心して見てられるけど。

でも作品以外で制作者にまつわる情報を知ることが作品への失望につながることもあって、作品に感銘を受けたものの作った本人について知ってしまったことで作品を楽しめなくなることもある。これを作ったのはこんな考えの人間なんだ、みたいなのが頭から離れなくなる。*1なまじ頭がいいと、いくら自分は天才でも何でもない中途半端な人間ですっつったって、自分より浅はかな考えの人なんてごまんといる。寧ろそっちの方が多い。

音楽関係に限らず、有名人のファンはその有名人にもっと近づきたいと思いがちで、有名人側も最近はSNSで「ファンサービス」しようとするからファンにとってはある意味身近になった訳だけど、自分は逆に見ちゃいけないものを見ちゃうんじゃないかって気になる。たとえば、善人ぶってもSNSで無意識に差別的な言動をしてボロを出す人いるし。特にマイノリティでアジア人*2の自分にとってはそういうの結構失望する。自分が聞く音楽のラインナップは限られてるから、聞くものがなくなってしまうかもしれない訳だし。*3

*1:ま、作品を支持することと制作者を支持することは別だけど、「この人の作った作品です」ってのは「詠み人知らず」的なものでない限りついて回る。

*2:海外アーティストの場合なんかだと人種も関係してくる。

*3:昔ある人と話した時、「彼らは『アーティスト』なんて名乗っちゃってるけど芸人だからね」って言ってたのを思い出した。